二週間ぐらいあとに、タイシャ・エイブラーに変名したアンナマリーがガイア書店で出版記念のプロモーションを行った。
『The Sorceres’ Crossing』(『呪術師の飛翔』)
タイシャは、キャロル・ティッグスと一緒だった。
せまい店内は客であふれていた。
タイシャが話した。
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フロリンダ・ドナー、キャロル・ティッグスと自分はいずれもドン・ファンの弟子ですが、各々の特性によって魔女や呪術師の大集団により異なる教育を受けました。
もう私たちにはこの世界での時間が限られているので、これからは私たちが受けたようなやりかたでこれまでのように教えることはできません。
カルロスは、ドン・ファンの呪術師の系譜の最後の一人です。カルロスは一人の弟子もグループも持っていません。
自分たちを棚に上げています。(と下記、Amyも書いています)
みなさんご存知のように呪術師はボランティアも受け入れていません。予兆によると弟子の一人がナワールだというのでカルロスはその人物を罠にかけなければなりません。
(今、一人も弟子はいないと言ったばかりではないか?と思った)
この弟子の中にいるナワールとは、 Tony Lama、本名Marco Antonio Karamという人のことだということが後半わかります。
彼については、補足資料の中にも詳しい情報がありますので、しばらくお待ちください。
それから彼女は「忍びよる者」について話した。
わたしは忍び寄りの技術を使ってさまざまな人間に化けました。男になって仏教の僧侶、リッキーという名前のメキシコ在住の白人、口汚いコソドロ。一番最後の場合は、完全に男にみせるために偽のペニスをつけて女性を誘惑しました。
誘惑してからディルドを使うのならわかりますが、別に女性はまっ先にペニスそのものに惹かれたりしないのではないでしょうか。

「スティッキーフィンガーズ」
でもミックジャガーのジャケット写真の件もあるし・・・あながちそうでもないのかも。
わたしは、二年間、木の上の小屋で暮らして”サル人間”と呼ばれていました。また美しい女優になって詩人と恋におちたこともあります。(一部省略)
そして乞食のアルフォンシナに化けて、ついに彼女の弱点だった「自己憐憫」を克服することができました。
こうした変身の話が続きますが割愛します。
タイシャはカルロスに負けず劣らず話が上手だった。
彼女は、最後に、”The Selector”というカルロスが言うところの宇宙の秩序を作る力についての話をした。
講演会が終わってからキャロルとタイシャと食事をした。カルロスをナワールと呼んでいるのが気味が悪かった。二人はまるでローマ法王のことを話しているようだった。
罠にはまるような恐れをいだいたが、どこかでカルロスが守ってくれると思っていた。
占星術やエニアグラム、スフィ哲学やグルジェフ1の話題をした。カルロスは、グルジェフの系統の弟子のClaudio NaranjoとOscar Ichazaと知り合いだった。

セラピストのKathleen Speethは、彼女の著書「グルジェフワーク」の最初のページにカルロスの言葉を引用した。その話をしたらキャロルが「分類している!」と爆発した。
座が白けてしまった。
食事のあと、二人に実家に寄ってもらった。
有名人の写真やサインを飾ってある趣味の悪さをあげつらわれて不愉快になった。彼女たちにそれらを取り除くように言われた。私の臆病さがまさって、取りはずすことにした。
(初出:2016年12月30日)
- ゲオルギイ・イヴァノヴィチ・グルジエフは、アルメニアに生まれ、一般に「ワーク」として知られる精神的/実存的な取り組みの主導者として、および著述家・舞踏作家・作曲家として知られる。ロシア、フランス、アメリカなどで活動した。(ウィキペディアより) ↩︎