Amyは、自分が「夢見」なのか「忍び寄る者」なのか混乱しています。
「だって君は(夢の中で)自分の靴も見られないだろう?」とカルロスに言われた。
たしかにその通りだと思った。
カルロスが言った。
「夢の中で自分の手を見るという話を書いたけど、本当は自分のペニスを見ろってドン・ファンに言われたんだ。でも出版社がそれは書くなって言ったので手にしたんだよ」(Amy78)
まったくの私見ですが、夢の中で自分のペニスを見る場合、服を脱がなくてはいけないので手や靴を見るよりもはるかに難しいはずです。ですから、これはAmyを口説くために話を「下(シモ)ネタ」に持っていくための仕込みだと思いました。
カルロスとつきあいのある人々は自分が「夢見」なのか「忍び」なのか知りたがった。だが、カルロスから直接伝えられた人にはこれまで会ったことがなかった。

カルロスは一部の人を除いて自分があった有名人をことごとく悪くいった。ジャニス・ジョプリンのこともはじめは気に入っていたがコカインを使っていたので大嫌いになったと言っていた。
ジャニスと知り合いだったなんて羨ましい限りです。
ジャニスの方こそ、第二の注意力に去ったのではないでしょうか。
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』見ましたが、寂しそうな笑顔が忘れられません。
食事のあと、海風にあたりながら散歩をしてから二人で座った。
彼は私の手を握って、ブラジルにある父親の宝石工場の話などをした。
本当は、ブラジルではなくてペルーです。
髪にキスをされた。
「グロリア・ガーヴィンの話」と場所やシチュエーションがまったく同じパターンの口説き方なのであきれちゃいますね。
いきなり神妙になり話した。
「女の足の間にある穴は魔法だ。ナワールは彼のジュースを中に残すと彼女の脳の中に伝わっていく・・・それが一番速いんだ。時間があまりないんだ。もうすぐ夜中だ。君をおいてはいけない」
私は笑った「そう。で、あなたはいやらしい年寄りのグルなの?」
カルロスは傷ついた顔をして、もしその気がないのならいったんバークレーに戻ってよく考えてみてほしい。もし決心をしたら連絡をくれればいいと言った。
「いえ」私は答えた。一生に一度の大間違いだった。
「一時間あればいい?」
カルロスが固まった。
たぶんこれが初めてカルロスをびっくりさせた場面だった。
「たった今じゃないよ。これは夜でなければならないんだ」
この後、カルロスはいったんAmyを母親の家に送りとどけ、夜になってから改めて迎えにくることになります。
別れ際に唇にキスをされた。
カルロス65歳。エイミー38歳のことです。
みなさんもカルロスに負けないようにがんばりましょう。
(初出:2017年1月10日)