カルロスは、安物や高価な宝石を使って私たちのエゴや自尊心を攻撃した。
私は、父が亡くなってカルロスと私の付き合いが再開したころ、宝石をたくさん持っていた。
Claudeに前の夫からもらった指輪をけなされた。
フロリンダとカルロスに宝石のことを相談した。
カルロスは私にそれらを売ってしまうかカルロスに渡すようにいった。カルロスはそれらを浄化してほかの女性に渡すのだといった。
フロリンダは、かつて自分のものだった宝石を他のメンバーがつけていても絶対にそれを口にしてはならないといった。
お気に入りの真珠のネックレスをフロリンダに差し出したときだけ、彼女はそれは美しすぎる、どこかわからないところにしまっておくようにと言った。
私は、装飾品を身に着けなくなりAmish(アーミッシュ)のような身なりになった。
一方、新入りの弟子たちはつぎつぎと宝石を贈られていた。
ある新人は、宝石箱だけがおいているアパートをプレゼントされたが、カルロスが誘惑しようとしたので逃げ出した。
”緑の存在”というグループがあった。彼らだけが緑色の琥珀を身に着けていた。
ドン・ファンの教えを受けてきた年月でカルロスが出会ったただひとりのグリーンな人物というのはTaishaだといった。
Taishaのグリーンのエネルギーがほかのグリーンを呼び寄せたそうだ。
Guido、Ramon、Nancy、Soniaなど。
いったいグリーンな存在が何を意味するのかはわからなかった。
グリーンは、靄がかかっていて変化に富んでいるのだそうだ。
男性のグリーンメンバーは、カフス(cufflinks)やタイピン(tie tacks)を贈られていた。
一般の男たちは、時計やナイフをプレゼントしてもらっていた。少し位の低い男性は、シャツやカシミヤのセーターだった。
カルロスに言わせると宝石はただの宝石ではなくて魔法だった。
彼が手渡す宝石はかつては魔女の誰かに属していたものだった。中には聞いたことのない魔女の名前も出てきた。
Muniは、こうした名前の遊びが嫌いだと言っていたことがあるが、彼女もドン・ファンが作ったという指輪をもらったときは、その魅力に負けたようだ。
そのうえ、これはかつて強力な魔女に属していたものだといった。
よくフロリンダが嘆いていた。
「わたしも自分ででっち上げた嘘をよくついたものよ」
カルロスは、宝石のうちのいくつかはドン・ファンのものだったり、第二の注意力からテレポートされてきたものだと言っていた。カルロスは、ゲストルームの魔法のバスタブのところにあるトイレの後ろにこうした宝石をしまってあった。
またバックヤードにはさらに多くの宝石を埋めてあると言っていた。
私に特別なものをやるといったとき地面を棒で指して、ここからでてきたものはすべてエネルギー的に君のものだ、といった。
カルロスからもらった指輪のひとつは、強力な”気”を持っている魔女のものだったもので庭から「釣った」のだと言っていた。
もうひとつは、黒いオニキスの指輪で”内的な静けさの指輪”と呼んでいた。
この指輪をしているのをみたBeulahがほめてくれたのでジョークをいったらいきなり「殺してやる!」と言われて首をつかんでゆらした。
このような憎しみをカルロスが彼女に植え付けていたのかもしれない。
私は、魔女たちに大切な自分の宝石を渡した。
Florindaにはあの大切な真珠のネックレスを贈った。
彼女は、喜んで寝る時もつけているといっていた。
Muniが、ムーンストーンのネックレスとイヤリングを買ってくれた。
私はそれらを何年もつけていた。
(初出:2017年2月13日)