その後、精神と体調が不良になり生活が荒廃し、セラピストの世話になった。
グルは、弟子をいじめるそうだ。
禅僧は弟子を木の棒でたたくし、Synanon1の悪名高いゲームやWerner Erhardtは言葉で攻め眠らせない、Gurdjieff2は弟子を精神的・肉体的に壊した。
実は、やはり70年代の話ですが、私のルームメイトが大失恋を機にErhardtのESTにハマりましてガラっと人が変わってしまいました。
何回か遠いカリフォルニアまで飛行機代を払って週末セミナーに参加していました。
それまでめちゃくちゃ愉快な男だったのが、陰気な人間になってしまいました。
ある日、彼からこの会が主催するお茶会に誘われましたが、一人、中国哲学というかt’aichiの論客が一緒にいましてこてんぱんに論破したおかげで、以降誘われなくなりました。助かりました。
考えてみれば、このテの自己啓発・ニセ科学・カルトは我々の日常のどこにでも潜んでいるんですね。
母が二度目の発作を起こすと私のPTSDは悪化した。
BillとJeannieの二人の友達が私の世話をしてくれたのでこの本の執筆を続けることができた。
この本を書くことで生き続けることができたし、出版すること自体が望みになった。
Billが中身をチェックしてくれた。
Billは、カルロスの本のファンで、カスタネダの初期の教師であったNaranjoとIchazoについても研究をしていた。
Claudio Naranjoは、チリ出身の心理学者だそうです。Oscar Ichazoは、ボリビア生まれのやはり心理学者。あいにく私は不案内でして、参考までにウィキなどサイトへのリンクを張っておきます。
『The Enneagram …info from the underground』
Billが言った。
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カルロスのメソッドは、自由をもたらすはずだ。だが、ヒエラルキーの中で承認を得ないと力がもてないのであれば、もたらされるものは自由ではなく、その中から追い出されることに対する恐怖が生じる。自我はより強い力で打ちのめされ、そのまた結果が恐怖につながる。リーダー以外のものはだれも完璧になれないのだ。仕組みがそれを許さないようになっているのだ。
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彼の指摘は正しい。
リーダーはむずかしい質問をされると「あなたはまだ答えに対する準備ができていない。いつか。たぶん」と答えるだけだ。
民間療法の受け答えに似てますね。悪化すれば、一時的な瞑眩(めんけん)反応だというし、良くなれば、このまま続けてくださいと言います。
続いてAmyによるカルロスの評価。母との関係修復への感謝など、いい話がありますがが省略します。
Tony Karamは、ドン・ファンは実在しないと結論付けたが、カスタネダの作品は評価している。
(初出:2017年3月12日)
- シナノン。Wikiの要約によると「元々は Tender Loving Care として知られていた Synanon は、1958 年に米国カリフォルニア州サンタモニカでチャールズ E. “チャック” デデリヒ シニアによって設立された新しい宗教運動です」とあります。 ↩︎
- グルジェフ。日本語版Wikiの要約によると「ゲオルギイ・イヴァノヴィチ・グルジエフは、アルメニアに生まれ、一般に「ワーク」として知られる精神的/実存的な取り組みの主導者として、および著述家・舞踏作家・作曲家として知られる。ロシア、フランス、アメリカなどで活動した」とあります。私は、学生時代コリン・ウィルソンの『オカルト』で存在を知りました。 ↩︎