■16章
16章と17章は、カスタネダの本編のおさらいとあまりインパクトのないエピソードが多いのでサラっと流します。
冒頭、呪術師の目の使い方と、夕暮れの世界の裂け目についての言及があります。
○最良の場所を見つけるための目の使い方
○自分が坐る場所を見つけて精霊に対するための動作
○休むのにいい場所を見つけるための目の使い方
○ドン・ファンの目の動き
○別世界の番人を見るための目
○(たぶん異世界を)見るための目
○世界の裂け目
続いて”しないこと”、”世界を止めること”、”見ること”についても少し言及があります。
○しないこと
○世界を止めること
○見ることと眺めること
私は、これをGarfinkelの現象学の影響とみている。
カルロスは、Edmund Husseriの現象学を学んでいた。それを知ったカルロスの知人がHusseriの机にあった黒檀をカルロスに贈り、それをカルロスがドン・ファンにあげたところすごく気に入ってくれたそうだ。
ドン・ファンとのフィールドワークと並行して、カルロスは、Talcott Parsonsの学問やLudwig Wittgensteinの哲学も学んでいた。
カルロスがヴィトゲンシュタインのことをドン・ファンに話して笑われたエピソードがありますが割愛します。
■17章
「煙」の準備の儀式、1963年12月26日の煙体験についての記述と飛翔の話がありますが割愛します。
Joan Daughtyがカスタネダにはじめて会ったのは1962年の春だ。Joanは彼のインディアン研究に対する情熱に感銘を受けた。
カルロスは、めったにプロジェクトについて語らなかった。話すのはC.J.のことだけだった、あるいはJoanのことだった。
Joanは、カルロスにプロジェクトについて話すことを強いなかったので、カルロスは彼女といるとくつろげたようだ。Joanが絵画や彫刻に興味があったのも気に入った理由のようだ。
「彼はとても深い気持ちをもっていたわ」とJoanは語る。「見えている以外のものが彼にはあったわ。彼は第六感を持っていた。彼と話しているとなにもかもが計算機で動いているようだった。どんな話題もなんでも吸収するの。(以下、略)」
1964年、Joanがカルロスと私に結婚することになったと告げた時、カルロスは驚いたようだった。
後に彼は、この知らせを聞いて嫌な気持ちがしたと言った。
このあたりちょっと英文がむずかしくて不明です。
この後、ティモシー・リアリーについての話。
家に帰って来てC.J.にリアリーの話をしていたというエピソードが披露されています。
(初出:2018年7月13日)