フロリンダ・ドナーの講演会の続きです。
彼女の二冊目の著書『魔女の夢』はヴェネズエラの伝統的なcrandera(マヤ族から継承した治療技術を継承するメキシコ人女性)に弟子入りしたときの抒情的な逸話集だ。
彼女はドイツ移民の夫婦の間に生まれカラカス(ヴェネズエラの首都)で育った。
他の”魔女”同様、カスタネダと過ごしている間、自分がどこにいたとかはその通りでないことが多く、上記の体験のことも当時はまったく知らなかった。
彼女の話はとても魅力的だった。
この本(Being-In-Dreaming)の出版社Harper & Rowは、この本ではドン・ファンの本当の言葉を載せていない。といって二つの性の違いについての説明をした。(Amy40)
フロリンダもドン・ファンに幻覚性植物をやりたいと懇願したが断られたと言った。
「女に力の植物はいらない。もう持っている」
女性が子供を産むたびに、自分のエネルギー体に穴があいてしまい自由への道から遠ざかる。だから子供を産むことはおすすめできない、などと当時のフェミニズムに傾倒しているような雰囲気だった。
女性が夢見を行うのは生理の3日前がいい。女性は簡単に夢見で玉ねぎの皮をむくように違う世界に入ることができる。呪術には閉経を避けるテクニックがあるし、生理の周期を自分で調整もできる。
私たちの仲間の一人(後でアンナマリーとわかった)は生理が面倒なので止めてしまった。
客の一人がドン・ファンはセックスをしたのか?と質問した。
フロリンダは赤面し答えた。
「事実です。しました。信じてください。彼は90歳だったのですよ」(Amy42)
ドンファンの誕生は、1891年です。90歳だとすると1981年です。フロリンダのこの講演会は、1991年ですから10年前の話をしていることになります。
ドン・ファンの没年は定説では1973年です。
参考までに、ドン・ファンが去ろうとしているとAmyの兄夫婦に語ったのが1976年。そしてカスタネダがAmyに「ラ・ゴルダが去ってしまった」と嘆いたのは1983年です。
上記よりフロリンダのドン・ファン性豪説は、どうみても整合性がありません。
フロリンダがキャロルを女ナワールだと紹介した。10年間-無限(Infinity)、または第二の注意力(Second Attention)に身体もなにもかも消えていた。キャロルは当時の時間間隔がまったくなく瞬間のように思っていると述べた。
スウェットスーツでジョギングする姿で奇跡的にまた現れたキャロルは、魔法の扉を開けて私の前に現れた。魔法の扉がキャロルが公に姿を現すことを許してくれた。
私の知り合い~カルロスの信奉者だった~がキャロルに10年の間他の世界で何をしていたのか?と質問した。その時のキャロルの反応はショッキングだった。
部屋の隅に下がって、どもりながら激しく汗をかいていた。人々が彼女を囲んだ。
「あ・・・、あぁ。わ、わからないわ・・・わからない・・・」
彼女は壁にぶつかるまで下がった。まるで罠にかかったロバのように頭を垂れた。それから人々をかきわけるとフロリンダの横までよろよろしてたどり着いた。
人々は怖くなってこのタイプの質問をさけた。
この本を最後まで読むとわかりますが、これが完全な演技だったことがわかります。
(初出:2016年12月27日)