カスタネダについて知りたいなら、私の長々としたくどい文章を読むより、BBCの手になるこの番組を見ていただくのが何よりいいと思います。
私が30年も放置していたのが、そもそもいけないのですが、Amy Wallaceの『Sorcerer’s Apprentice』の初版が出たのは割と最近の2003年ですし、日本語訳も出版されてないし、知らなくても仕方がないですよね。(初出:2016年10月5日)
おそまきながら下記のような認識をあらたにしています。
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日本にもカスタネダのファンがほどほどいたこと。
カスタネダには妻がいたこと。最初の妻と別れた後に、重婚していたこと。
カスタネダには養子がいたこと。
テンセグリティという一種の宗教を開発していたこと。
多くの女性たちを弟子にして性的なカルトのグルと化していたこと。
彼らの活動を調べた著書や関係者の手記が出版されていたこと。
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そして、テレビ番組まで制作されていたこと。
YouTubeを見るとテンセグリティの健康運動「マジカルパス」について女性たちがテレビ番組に出演して解説している映像だったり。(「死霊の盆踊り」に見えます)
メンバーの中でも有名な魔女の行く末をちゃかしたような動画があったりと、グループの活動は米国ではかなり有名だったことがわかりました。
日本ではカスタネダ本人も含め、現在はほぼ無名といってもいいのではないでしょうか。
ちょうど『イクストランへの旅』までのおさらいが一通り済んだので、いったん、本編から離れて上記の魔女の一人、タイシャ・エイブラーが著した『呪術師の飛翔』をご紹介しようと準備をしています。
この本は、とても退屈な内容なので大して語ることもないなぁと、当初は思っていたのですが、ついつい余談含みで結構な分量になってしまいました。
本はつまらなかったですが、同書の「訳者あとがき」でBBCが制作したカスタネダのドキュメンタリーがあることを知ったのは大収穫でした。
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BBC Carlos Castaneda And The Shaman. Tales From The Jungle 2007
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日本でBBCのiPlayer1は使えませんので、申し訳ないですが、YouTubeにアップされている、おそらくポルトガル語圏向けの動画を視聴しました。
動画は1本10分前後で6本に分割されています。
YouTubeの記載を見ると「2006年」となっていますが、BBCのサイトでは2007年となっています。
以前、ちょこっと書きましたが、この動画には、今は亡きAmy Wallaceやカスタネダ批判で有名なデミル他、多くの関係者が登場しています。これまで文字でしか知らなかった人たちが実際に動いて語るインパクトは強烈です。
コマーシャル放送では視聴率とれないと思うのでNHKさん、ぜひオンエアお願いします。
今は、90年代のはじめ『ラジニーシ・堕ちた神(グル)』という本を読んだときと同じような感慨です。(英語では、ラジネーシに聞こえます)
(80年代の日本でも、周囲にインドに行って帰ってきた人がたくさんいました。ラジニーシになんか名前もらうんですよね、ちょっと気色わるかったけど、悪いのでだまってました)
余談ですが、アマゾンでラジニーシ関係の本に寄せられているコメントにはインパクトのあるものが多く信じる世間、けなす世間、楽しむ世間がわかります。
そして、上記のBBCの番組のYouTube動画に寄せられているコメントも似た雰囲気のものが多く寄せられています。カスタネダのファンなのでしょうか、彼らの偶像を貶している番組に対して強い口調で批判している意見も散見します。
このBBCの番組についてもいずれ日本語の解説をつけたいと思っています。
でもね。ドン・ファンは今でも好きですよ。(実在するなら)
ただ、弟子選びはもっと慎重にすればよかったと思います。戦士なんだから。
(初出:2016年10月5日)
- iPlayer:初出時当時、BBCは、iPlayerという動画視聴用のアプリケーションを配布していましたが、日本国内では視聴できませんでした。 ↩︎