第1章は、カルロスが自分の体験を回想している体の内容で書かれていて彼の出身地が呪術になじみのある土地だったという考察をしています。以下は、すべて私のコメントになっていますが文字色は黒で進めます。
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1974年春、カルロスは夜、悪夢でうなされています。
Nanny1というUCLAの学生が一緒にいてC.J.(カルロスの息子)をもとめて悲しむカルロスをなぐさめているの様子が描かれています。
この下りは前年マーガレットと正式に離婚し離れ離れになった息子のC.J.を求めてうなされている場面ですから当然、そこには別れたマーガレット、つまり著者はいません。
このエピソードが本当ならその場に居たNannyと本人以外にこの場面は語れないわけなのでここはドキュメンタリーライターの仕業と私はみています。
ちなみにこのNannyについては詳細が書かれていませんが、場所がWestwoodの家とのことなのでエイミーの生活から推測するに弟子(愛人)の一人と思われます。
でも、誰がその場面を見たのだ?あるいは聞いたのか?というのが書かれていません。
この章は、こうした導入部に続いてカスタネダの著作・業績について概要を説明する内容になっています。
最期に、彼の呪術との出会いはアリゾナでもソノラでもなく生まれ故郷の南米にあるといって次章につないでいます。
- nannyには乳母という意味がありますが、ここの文脈では人名です。 ↩︎