Maya43『カルロス・カスタネダとの魔法の旅』27

カルロスはスピーチの最中に遅れて到着したが、C.J.は彼にすぐに彼に気が付いた。
C.J.は校庭で他の学生と一緒に座っていた。

カルロスは、私の妹のBetty Virziと夫のVictorを見つけて近づいて来た。
カルロスは、なんとか間に合った。

1975年の5月、アリゾナのTempe、Connoly Junior High School(原文のママ。実際は、Connollyが正しい)の卒業式だった。


C.J.の名前が読み上げられるとカルロスはにこりとしてうなずいた。

式が済んだあとタウンホールでの集いではカルロスは大盛り上がりだった。
知られている神秘的なイメージとは違い、小さな集まりでの彼のおしゃべりは全然違っていた。

Bettyがスナップ写真を撮ったときだけ「カスタネダ」の顔がチラっとよぎった。だが、彼は何も言わなかった。

カルロスはそろそろ場所を変えようととみんなに言った。
BettyとVictor、C.J.と私。古くからの友人のKay Quinnと彼女の二人の娘、KathyとPatricia、それに私の甥のMichael Magana。

みんなでフェニックスにあるGregory’s Penthouseという店で夕食を食べようと提案したのだ。

道すがらカルロスはC.J.に夏休みにロスアンゼルスに来ないかという話をした。
ヨーロッパにも行こうと言ったがC.J.はあまり乗り気ではなさそうだった。
カルロスは言い募ったがC.J.は断った。カルロスはあまりあてにならないからだ。

前にもヨーロッパに連れて行くといったが実現しなかった。電話や手紙をよこす、会いに来ると言っていたがめったになかった。C.J.は電話や手紙を待ってつらい思いをしていたのだ。

ある日、傷ついた彼は、自分はカルロスがするように人を絶対に傷つけないといった。
カルロスはC.J.の心がわかったようだった。店に入る前に、夏休みの終わりに気持ちが変わっているかもしれないからまた連絡するとC.J.に告げたが本心ではなかったろう。

その夜の会話はカルロスの独断場だった。Katyにユタでの生活を訪ね、彼女の娘たちにはイギリス旅行の話を聞いた。Bettyと昔のロスの話をし、C.J.には卒業祝いに100ドルを渡した。たわいのない話が続いたが一度だけ修行生活の話が出た。私はドン・ファンについて尋ねた。

彼はいなくなったんだ。もういない」とカルロスが言った。
亡くなったの?」と私。
カルロスは私を見た。「ただいなくなったんだ」彼はそれ以上話したくないようだった。

このエピソードは重要です。
なぜならAmyの本では、1976年、カルロスが図書館のイベントでAmyの兄夫婦に出会った時、ドン・ファンが「去ろうとしている」と取り乱していたというエピソードがあります。

1975年に「去った」のが1976には「去ろうとしている」というのはどうでしょう?
ただ、はっきりしているのはこのあたりでカルロスとドン・ファンの付き合いが何らかの形で終わったことです。

ドン・ファン(の内一人?)の年齢は、1975年で84歳、「何らかの形」というのはマーガレトが言うように亡くなったのかもしれません。

(根拠は不明ですが、ウィキなど一般的な情報には、ドン・ファンは1973年に亡くなったのではと書かれています。)

デザートが出るとカルロスは会計を済ませに席を立った。
レジで係りの女性が彼のマスターカードを受け取って手続きをしていたが、突然目の前の人物が誰かわかると目を見開き固まった。

あなたがあのカルロス・カスタネダ?あのライターの?あの神秘的なインディアンの本の?

カルロスがうなずいた。

これは失礼しました、最初から存じ上げていれば。というと彼女は厨房に引っ込んだが、奥の方で食器が倒れた音がした。

再び現れた彼女にカルロスはなにもかも素晴らしかったと言った。
彼のサインを求めて現れた店のスタッフたちに取り囲まれ私達はエレベータに乗るのに苦労した。
彼は快く応じていた。

(初出:2018年8月15日)