カルロスは、非日常的現実に惹かれ、退屈な毎日にうんざりしていた。
カルロスは、カリフォルニア民族誌と名付けられた文化人類学の学部授業に出ていた。
論文の題材として、Puharich and Huxley, Wasson and Slotkinを取り上げることにした、そしてアメリカ南西部に自生する幻覚性植物について民族植物学の研究を実施することにした。
課題の条件では、実際にインディアンの情報提供者を見つけたフィールドワーク(実地活動)をしたものは成績Aを受け取れることになっていた。
****
そして今、この1960年1月の夜、カルロスが、つき合ってまだ二週間目のヨルダン人のビジネスマンと一緒に過ごしているマーガレットのアパートに現れた。
その間、カルロスはカリフォルニアの砂漠で成績Aをとるためにインディアンの情報提供者を捜しまわっていたのだ。
二人の男は数分間、友好的に話をしていたが、やがて話題がマーガレットのことになった。
男性の名前は、Farid Aweimrine。彼は、マーガレットが昔付き合っていた別の男の兄弟だった。
二人はクリスマスパーティーで出会った。
Aweimrineが言った。「僕は離婚が成立したらマーガレットと結婚するつもりだ」
「そんなことはさせない!(Over my dead body!)」
Faridが言った「じゃ、なんで君は彼女と結婚をしなかったんだ?」
カルロスは、一瞬戸惑いをみせた。腕を組んであごをかいた。
「なるほど」物憂げに言った。
「たしかに。そのテがあったか」
彼はマーガレットに向き合うとにやっと笑った。
「さ!マヤヤ!今夜、結婚しよう!」
(マーガレットの話 ~完~)
****
並行してMargaret Castaneda著『Magical Journey with Carlos Castaneda』も少しずつ読み始めました。
まだ数ページしか読んでいませんが、Amy Wallaceの本と異なり構成や表現方法を見るとプロのライターが手伝っている気がします。
カスタネダのペルー時代についても考察が書いてあり、とても興味深い内容です。
大分先になると思いますがいずれこちらも感想と紹介をアップしたいと思います。
追記2018/5/30)『A Magical Journey With Carlos Castaneda』について書き始めました。
(初出:2016年10月25日)